知財ニュース.com 編集部 

医薬品医薬品特許庁のIP BASE主催で、2021年のスタートアップ×知財のベストプレイヤーを表彰する第3回「IP BASE AWARD」のエントリー受付が現在行われています。

https://ipbase.go.jp/news/2021/11/news-1126.php

受付期間は以下の通りです。

応募受付 11月26日~1月10日
推薦受付 11月26日~1月10日

知財部門の対象は以下の通りです。自薦でも他薦でもOKのようです。

○知財専門家部門
対象:スタートアップ支援に意欲的に取り組み、その支援によりスタートアップの知財戦略構築に貢献している弁理士・弁護士、企業の知財部員

知財戦略や、知財支援の具体的な内容、知財担当の仕事ぶりは通常は公表されないものですので、知財の側面からのスタートアップ支援のベストプレイヤーを選ぶというのはなかなか難しいことと思います。

本記事では、プレイヤー(個人)単位ではないのですが、後述の指標に基づいて、2021年にスタートアップ支援に貢献した特許事務所のランキングを作成してみました。

その結果、1位は「One ip特許業務法人」、2位は「正林国際特許商標事務所」、3位は「創光国際特許事務所」でした。One ip特許業務法人は、ホームページの情報によると、スタートアップ支援に特に注力しているしていることが窺えます。弁理士ナビによると、各特許事務所の弁理士数は6名、66名、11名です。

順位 特許事務所名 件数
1 One ip特許業務法人 10
2 正林国際特許商標事務所 9
3 創光国際特許事務所 6
4 創英国際特許法律事務所 4
5 尾畑特許事務所 4
肝心の指標ですが、

「2021年に資金調達金額が多かった上位20のスタートアップにおける、2021年に日本で登録された特許を代理した件数の多さ」

としました。
資金調達金額が多いということはスタートアップとしての企業活動が上手くいっていることの一指標となります。その企業活動を特許取得の面からサポート(代理)した特許事務所は、スタートアップ支援に貢献した特許事務所という見方ができると思います。
なお、弁理士(個人)が代理している場合は、その弁理士が所属する特許事務所としてカウントしています。

資金調達金額が多かった上位20のスタートアップに関しては、下記のSTARTUP DBのサイトに記載の資金調達金額ランキングの上位20位の企業を選びました。

・国内スタートアップ資金調達金額ランキング(2021年1-11月)
https://media.startup-db.com/research/funding-ranking-202111

1位はタンパク質素材Brewed Proteinを開発する「Spiber」、2位はニュースアプリを提供する「スマートニュース」、3位は新素材LIMEXの開発・販売を行う「TBM」、4位はモビリティサービスを提供する「Mobility Technologies」です。その他、スペースデブリの除去サービスを提供する「アストロスケールホールディングス」や、武田薬品と京都大学などが設立したiPS細胞を用いた再生医療の事業化を目指す「オリヅルセラピューティクス」、神経・精神疾患領域の新薬開発を行う「アキュリスファーマ」などもランクインしています。

この20社は、2021年1-11月の間に合計で44件の特許を取得(登録)しています。最も多かったのは、Mobility Technologiesで16件でした。設立から期間の短い企業や、特許出願を行っていない企業も含まれますので、合計としてはあまり多くはない印象です。

この20社だけでなく、より多くのスタートアップの母集団を利用してランキングを作成するのもよいですが、それはまたの機会にしようと思います。
母集団のリクエストがあればお気軽にご連絡ください。

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