知財ニュース.com 編集部 

医薬品医薬品技術動向調査や特許分析の報告書において、特許出願人を分析した情報が公開されることは多々ありますが、特許事務所(代理人)を分析した情報は非常に少ないのが現状です。
特許事務所の情報は、企業にとっては、案件依頼先の特許事務所の選定のために有益な情報となり、知財業界で働く人にとっては、転職先の選定において有益な情報となります。
そこで、2020年に登録された特許件数に基づいて、「医薬品」分野における、「特許事務所」のランキングを作成しました。ランキング作成に当たっての調査条件は以下の通りです。

  • 技術分野:医薬品(製薬)
  • 抽出した特許:2020年に登録日を有する日本の特許
  • 集計:各特許事務所の取り扱い特許件数
1位は「山本特許法律事務所」で、バイオ分野で有名な大阪にある特許事務所となりました。2位は「青山特許事務所」、3位は「シンフォニア知的財産事務所」でした。各事務所の所員数は、山本特許法律事務所はホームページの情報によると160名、青山特許事務所はホームページに所員数の記載がなく、シンフォニア知的財産事務所はホームページが見当たりませんでした。弁理士ナビによると、それぞれの弁理士数は16名、100名、17名でした。
医薬品分野における、2020年の日本発の特許(第一国出願又はPCT受理官庁が日本特許庁の特許)と、外国から日本へ出願された特許(外内)との比率は、およそ1:2.42となりました。医薬品分野は外国比率が高いことがわかります。1位~3位の特許事務所では、その比率はおよそ1:26.67、1:4.59、1:9.36となりました。上位の事務所は、全体に比べて外国比率が高いことがわかります。
順位 件数 事務所名
1 477 山本特許法律事務所
2 321 青山特許事務所
3 282 シンフォニア知的財産事務所
4 262 特許業務法人 志賀国際特許事務所
5 245 特許業務法人平木国際特許事務所
6 241 阿部・井窪・片山法律事務所
7 200 ユアサハラ法律特許事務所
8 185 青和特許法律事務所
9 175 中村合同特許法律事務所
10 136 特許業務法人津国
11 126 特許業務法人三枝国際特許事務所
12 123 高島国際特許事務所
13 109 創英国際特許法律事務所
14 107 園田・小林特許業務法人
15 95 特許業務法人川口國際特許事務所
16 94 高岡IP特許事務所
17 88 アンダーソン・毛利・友常法律事務所
18 81 協和特許法律事務所
19 79 葛和国際特許事務所
20 77 すばる特許事務所
21 68 特許業務法人特許事務所サイクス
22 63 特許業務法人アルガ特許事務所
23 59 岩谷国際特許事務所
24 58 特許業務法人浅村特許事務所
25 55 特許業務法人秀和特許事務所
26 55 TMI総合法律事務所
27 55 大野総合法律事務所
28 53 オリオン国際特許事務所
29 52 レクシア特許法律事務所
30 52 清原国際特許事務所
31 52 特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
32 43 芦田・木村国際特許事務所
33 42 ユニード国際特許事務所
34 41 正林国際特許商標事務所
35 40 廣田特許事務所
36 39 八田国際特許業務法人
37 39 特許業務法人ユニアス国際特許事務所
38 37 杉村萬国特許法律事務所
39 36 東京ACTi国際特許事務所
40 35 特許業務法人オンダ国際特許事務所
41 34 特許業務法人太陽国際特許事務所
42 34 細田国際特許事務所
43 33 山の手合同国際特許事務所
44 29 名古屋国際特許業務法人
45 29 久遠特許事務所
46 26 SK特許業務法人
47 24 森田・山口国際特許事務所
48 24 特許業務法人栄光特許事務所
49 22 お茶の水内外特許事務所
50 21 わかば国際特許事務所
※技術分野の範囲の設定や、代理人弁理士の所属の設定によって、調査結果は変動します。検索ノイズが含まれるのを避けるため、調査対象を少し絞っています。検索の仕方によっては、同じ技術分野でも件数が増える場合があります。また、本ランキングはあくまで登録件数に基づいた一側面を示したものであり、各事務所の一般的な業務能力を反映するものではありませんので予めご了承ください。
用語の出現頻度解析
さらに、1位~3位の特許事務所の取り扱い案件について、特許の「発明の名称」の欄の記載内容を抽出し、用語の出現頻度を視覚化しました。
発明の名称は、発明を上位概念化した用語が通常使用されますので、「方法、物」のような抽象的な用語が特に多く見られましたが、具体的な医薬品関連の用語として、「治療、阻害、医薬、処置、剤、疾患、誘導体、製剤」などの用語も見られました。

※ユーザーローカル テキストマイニングツール(https://textmining.userlocal.jp/)による分析。単語の色は青色が名詞、赤色が動詞、緑色が形容詞、灰色が感動詞を表しています。
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