知財ニュース.com 編集部 

医療機器医療機器技術動向調査や特許分析の報告書において、特許出願人を分析した情報が公開されることは多々ありますが、特許事務所(代理人)を分析した情報は非常に少ないのが現状です。
特許事務所の情報は、企業にとっては、案件依頼先の特許事務所の選定のために有益な情報となり、知財業界で働く人にとっては、転職先の選定において有益な情報となります。
そこで、2020年に登録された特許件数に基づいて、「医療機器」分野における、「特許事務所」のランキングを作成しました。ランキング作成に当たっての調査条件は以下の通りです。

  • 技術分野:医療機器(例:カテーテル、注射器、心電計、内視鏡カメラ)
  • 抽出した特許:2020年に登録日を有する日本の特許
  • 集計:各特許事務所の取り扱い特許件数
1位は「特許業務法人志賀国際特許事務所」で最大手の特許事務所となりました。2位は「SHINSEI特許事務所」、3位は「伊東国際特許事務所」でした。ホームページの情報ではそれぞれの所員数は760名、35名、231名であり、SHINSEI特許事務所は所員数に対して非常に多くの医療機器特許を扱っていることがわかります
医療機器分野における、2020年の日本発の特許(第一国出願又はPCT受理官庁が日本特許庁の特許)と、外国から日本へ出願された特許(外内)との比率は、およそ1:0.9となりました。1位~3位の特許事務所では、その比率はおよそ1:2.2、1:72、1:6となりました。上位の特許事務所は外内案件を特に多く取り扱っているようです。
順位 件数 特許事務所名
1 349 特許業務法人志賀国際特許事務所
2 287 SHINSEI特許事務所
3 277 伊東国際特許事務所
4 235 山本特許法律事務所
5 207 青和特許法律事務所
6 203 鈴榮特許綜合事務所
7 180 中村合同特許法律事務所
8 156 特許業務法人酒井国際特許事務所
9 153 特許業務法人太陽国際特許事務所
10 144 特許業務法人M&Sパートナーズ
11 140 特許業務法人オンダ国際特許事務所
12 136 特許業務法人虎ノ門知的財産事務所
13 123 ユアサハラ法律特許事務所
14 119 特許業務法人谷・阿部特許事務所
15 116 杉村萬国特許法律事務所
16 116 青山特許事務所
17 109 (インハウス弁理士)
18 108 特許業務法人深見特許事務所
19 102 大塚国際特許事務所
20 101 特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
21 93 特許業務法人光陽国際特許事務所
22 82 TMI総合法律事務所
23 80 すばる特許事務所
24 79 (インハウス弁理士)
25 77 特許業務法人YKI国際特許事務所
26 76 創英国際特許法律事務所
27 74 特許業務法人鷲田国際特許事務所
28 65 特許業務法人イトーシン国際特許事務所
29 64 八田国際特許業務法人
30 63 協和特許法律事務所
31 62 特許業務法人快友国際特許事務所
32 62 ルークス国際特許事務所
33 62 特許業務法人秀和特許事務所
34 61 正林国際特許商標事務所
35 61 特許業務法人平木国際特許事務所
36 55 特許業務法人山王坂特許事務所
37 54 特許業務法人浅村特許事務所
38 54 久遠特許事務所
39 54 ゾンデルホフ&アインゼル法律特許事務所
40 53 高岡IP特許事務所
41 52 (インハウス弁理士)
42 49 新都心国際特許事務所
43 48 (インハウス弁理士)
44 47 特許業務法人川口國際特許事務所
45 47 桐朋国際特許法律事務所
46 46 特許業務法人小林国際特許事務所
47 45 蒼洋国際特許事務所
48 44 三好内外国特許事務所
49 43 園田・小林特許業務法人
50 42 特許業務法人北青山インターナショナル
※技術分野の範囲の設定や、代理人弁理士の所属の設定によって、調査結果は変動します。検索ノイズが含まれるのを避けるため、調査対象を少し絞っています。検索の仕方によっては、同じ技術分野でも件数が増える場合があります。また、本ランキングはあくまで登録件数に基づいた一側面を示したものであり、各事務所の一般的な業務能力を反映するものではありませんので予めご了承ください。
用語の出現頻度解析
さらに、1位~3位の特許事務所の取り扱い案件について、特許の「発明の名称」の欄の記載内容を抽出し、用語の出現頻度を視覚化しました。
発明の名称は、発明を上位概念化した用語が通常使用されますので、「装置、方法」のような抽象的な用語が特に多く見られましたが、具体的なバイオ関連の用語として、「外科、カテーテル、内視鏡」などの用語も見られました。

※ユーザーローカル テキストマイニングツール(https://textmining.userlocal.jp/)による分析。単語の色は青色が名詞、赤色が動詞、緑色が形容詞、灰色が感動詞を表しています。
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