知財ニュース.com 編集部 

電気通信電気通信技術動向調査や特許分析の報告書において、特許出願人を分析した情報が公開されることは多々ありますが、特許事務所(代理人)を分析した情報は非常に少ないのが現状です。
特許事務所の情報は、企業にとっては、案件依頼先の特許事務所の選定のために有益な情報となり、知財業界で働く人にとっては、転職先の選定において有益な情報となります。
そこで、2020年に登録された特許件数に基づいて、「電気通信」分野における、「特許事務所」のランキングを作成しました。ランキング作成に当たっての調査条件は以下の通りです。

  • 技術分野:電気通信
  • 抽出した特許:2020年に登録日を有する日本の特許
  • 集計:各特許事務所の取り扱い特許件数
1位は「特許業務法人志賀国際特許事務所」で最大手の特許事務所となりました。2位は「特許業務法人酒井国際特許事務所」、3位は「伊東国際特許事務所」でした。ホームページの情報ではそれぞれの所員数は760名、548名、232名であり、伊東国際特許事務所は所員数に対して比較的多くの電気通信特許を扱っていることがわかります。
電気通信分野における、2020年の日本発の特許(第一国出願又はPCT受理官庁が日本特許庁の特許)と、外国から日本へ出願された特許(外内)との比率は、およそ1:0.35となりました。1位~3位の特許事務所では、その比率はおよそ1:1.11、1:0.09、1:1.10となりました。特許業務法人酒井国際特許事務所は日本発の特許の比率が高いことがわかります。
順位 件数 事務所名
1 1127 特許業務法人志賀国際特許事務所
2 756 特許業務法人酒井国際特許事務所
3 752 伊東国際特許事務所
4 659 大塚国際特許事務所
5 484 鈴榮特許綜合事務所
6 465 (インハウス弁理士)
7 295 響国際特許事務所
8 255 龍華国際特許業務法人
9 241 (インハウス弁理士)
10 227 特許業務法人谷・阿部特許事務所
11 214 青和特許法律事務所
12 208 新居国際特許事務所
13 199 西川国際特許事務所
14 197 特許業務法人スズエ国際特許事務所
15 175 特許業務法人鷲田国際特許事務所
16 155 協和特許法律事務所
17 154 特許業務法人太陽国際特許事務所
18 149 國分特許事務所情報
19 147 特許業務法人深見特許事務所
20 145 中村合同特許法律事務所
21 132 岡部国際特許事務所
22 126 特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
23 124 中央国際特許事務所
24 123 園田・小林特許業務法人
25 121 TMI総合法律事務所
26 120 三好内外国特許事務所
27 116 創英国際特許法律事務所
28 114 キュリーズ特許業務法人
29 109 杉村萬国特許法律事務所
30 107 プライムワークス国際特許事務所
31 105 (インハウス弁理士)
32 103 特許業務法人秀和特許事務所
33 102 特許業務法人筒井国際特許事務所
34 99 特許業務法人磯野国際特許商標事務所
35 98 山本特許法律事務所
36 90 特許業務法人YKI国際特許事務所
37 90 特許業務法人大同特許事務所
38 89 正林国際特許商標事務所
39 85 藤元国際特許事務所
40 85 青山特許事務所
41 83 芦田・木村国際特許事務所
42 80 インフォート国際特許事務所
43 76 特許業務法人栄光特許事務所
44 75 特許業務法人佐野特許事務所
45 74 永井特許事務所
46 73 特許業務法人快友国際特許事務所
47 73 (インハウス弁理士)
48 70 吉田・吉竹・有田特許事務所
49 69 高岡IP特許事務所
50 69 特許業務法人オンダ国際特許事務所
※技術分野の範囲の設定や、代理人弁理士の所属の設定によって、調査結果は変動します。検索ノイズが含まれるのを避けるため、調査対象を少し絞っています。検索の仕方によっては、同じ技術分野でも件数が増える場合があります。また、本ランキングはあくまで登録件数に基づいた一側面を示したものであり、各事務所の一般的な業務能力を反映するものではありませんので予めご了承ください。
用語の出現頻度解析
さらに、1位~3位の特許事務所の取り扱い案件について、特許の「発明の名称」の欄の記載内容を抽出し、用語の出現頻度を視覚化しました。
発明の名称は、発明を上位概念化した用語が通常使用されますので、「方法、装置」のような抽象的な用語が特に多く見られましたが、具体的な電気通信技術関連の用語として、「無線通信、情報処理、画像処理、基地局、端末、ネットワーク」などの用語も見られました。

※ユーザーローカル テキストマイニングツール(https://textmining.userlocal.jp/)による分析。単語の色は青色が名詞、赤色が動詞、緑色が形容詞、灰色が感動詞を表しています。
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